マンション、特に首都圏にあるマンションは市場価格と相続税における評価額との差が大きく、相続税対策としては大変有効でした。国税ではこれを問題視しており、令和6年からは評価方法が改められることにありました。
今回は、相続税における不動産の評価方法の概要と、改められたマンションの評価方法の概要を説明します。
1. 不動産の相続評価について
土地や建物の相続評価額(相続税を計算する際に用いる価額)は、土地については時価の8割程度、建物については時価の6~7割程度になるといわれています。
2. タワーマンションの相続評価額について
しかし、タワーマンションの相続税評価額は、市場価格(時価)と大きな乖離がありました。
国税庁の平成30年の調査によると乖離率(時価と相続税評価額の差)の平均値は、戸建ては1.66倍なのに対し、マンションが2.34倍となっております。これは、戸建ては時価の約60%の評価額になるのに対して、マンションは時価の約42.7%の評価額になるということを意味しています。
また、この乖離率は全国平均であります。
※東京のみですと、その乖離率は3.2倍にもなります。(相続税評価額は、時価の31.2%になるという意味です)
具体的は数字で例えてみます。
東京で1億円の不動産を購入した場合、戸建ては6000万円の相続評価額になるのに対して、マンションは3200万円となります。
とても低い評価額で相続税が計算されることになります。
3. なぜタワーマンションの相続税評価額は低いのか?
ではなぜこのような乖離が生じるかというと、従来の相続税の評価額の計算は、一般の市場価額で考慮されるようなマンションの総階数や所在階、築年数考などのプレミアムが考慮されていないこと、また高層マンションでは立地条件が良好で市場価格が高額でも、敷地の持分はとても小さくなるため、相続評価額の計算式では評価額が少なく計算されるという点がありました。
4. 2024年1月からは増税へ!
そこで、2024年1月から、築年数、総階数、所在階、敷地持ち分面積狭小度の4つの指標に基づいて、相続税評価額を修正することになりました。具体的には、一戸建ての評価額の現状を踏まえ、相続税評価額が市場価額(時価)の60%に達しない場合には、60%に達するまで評価額を増額調整することになります。
なお、この制度はタワーマンションに限らず、3階建て以上の区分所有建物が対象となります。
5. まとめ
タワーマンションを購入すると相続税が節税できるということで、マンションを購入された方もいらっしゃると思います。特に高層階においては、その効果は抜群でした。以前は高層マンションの相続税評価額は、時価の3~4割でしたが、2024年1月からは時価の6割の評価額になるということになります。

