相続財産の中には、必ず預貯金があります。
では相続が発生した場合、
➀ この預貯金はどのように分けたらよいのだろう?
➁ 故人名義の預貯金の分割方法は?
この疑問についてお答えしたいと思います。
1.預貯金はどのように分けたらよいのだろう?
これについては、遺言書がある場合には遺言書を、遺言書がない場合には遺産分割協議(相続人同士の話合い)により誰がいくらもらうかを決めることになります。
遺産分割協議では、法定相続分(民法に定める相続割合)を基本にして取り決めをしていくことになります。法定相続分はあくまで目安になりますので、相続人全員の合意があれば、分け方は自由に決めてよいことになっています。
2.故人名義の預貯金の分割方法は?
預金の分け方が決まりましたら、故人名義の預貯金を具体的に分けていくことになります。方法としては、2つあります。
(1) 亡くなった方の口座を解約し、相続人のそれぞれの口座に振込で受けるとる方法
(2) 預貯金口座ごと相続して、口座の名義を相続人に名義変更する方法
それぞれ詳しく解説していきます。
(1) 亡くなった方の口座を解約して、相続人それぞれの口座に振込で受け取る方法
この方法が実務では最も多い分け方になります。わかりやすく例を用いて説明をしていきます。
亡くなった方のA銀行に1000万円の貯金があった場合を例にしてみましょう。
相続人が2人で、500万円ずつ分割することになりました。
その場合には、A銀行に依頼して、亡くなった方の口座を解約して、それぞれの相続人名義の口座に、500万円ずつ振り込んでもらうことが可能です。(※銀行の手続きについてはここでは省略します)
※銀行によっては、それぞれの口座への振り込み対応を行っていないところもあります。その際は、相続人の中で代表を決めていただき、一旦代表の方の口座に全額を振り込んでもらい、代表から他の相続人に取得の分を振り込むことになります。
(2) 預貯金口座ごとに相続して、口座の名義を相続人に名義変更する方法
2つめの方法としては、口座の名義を亡くなった方から財産を受け取る相続人に名義変更する方法です。
例えば、亡くなった方の預貯金がA銀行は500万円、B銀行に500万円あったとします。相続人は2人(配偶者と息子1人)おり、それぞれ500万円ずつの預貯金を相続することになりました。
(1)で説明したように口座を解約して、それぞれの相続人に500万円ずつ振り込んでいただく方法も可能ですが、A銀行の口座は配偶者、B銀行の口座は息子が相続し、名義をそれぞれの相続人に変更してもらうことも可能です。もしくは、配偶者にA銀行とB銀行の名義を変更し、配偶者から息子に500万円を振り込みというようなことも可能です。
この場合には、相続にともなう名義変更の手続きを銀行で行うことになります。
いかがでしたでしょうか。金融機関の手続きは時間もかかりましので、どのように分けるかは早めに考えておくのがよいでしょう。
次回は金融機関での実際の手続き方法についてご紹介をさせていただきます。

