毎年恒例の確定申告の時期が近づいてきました。
今回は、相続にともない相続人に確定申告が必要となるケースについて説明します

1.賃貸不動産を相続した方

アパートや駐車場、テナント物件などの賃料収入を得ることができる不動産を相続した相続人は、確定申告が必要となります。亡くなられた方の確定申告書の控えが手許にある場合には、その確定申告書を参考に経費などの書類を準備しておくとよいでしょう。

また、青色申告は相続により引き継ぎことができませんので、相続人の方があらためて青色申告の承認申請をする必要があります。ただし相続人の方が相続以前より青色申告をしている場合には、青色申告の承認申請は不要です。

なお、相続が発生してから遺産分割協議が確定するまでの間の不動産賃料は、法定相続分にしたがって各相続人に帰属することになります。遺産分割によって不動産を取得した人が遡って取得するわけではありません。
そのため、各相続人について確定申告が必要となります。未分割状態の不動産がある場合には不動産賃料の確定申告もれがないように注意をしましょう。

2.相続財産を譲渡した方

株式や土地、建物などの相続財産を相続し、その後売却した場合には譲渡所得税がかかります。そのため、確定申告をしなければなりません。

相続の申告期限から3年以内に譲渡した場合には、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」といい、相続税を経費に入れることで譲渡所得税が低くなる特例がありますので、適用を忘れないようにしましょう。ご自身で確定申告をされる方は見落とすことが多いと思いますので注意してください。

3.死亡保険金を受け取った場合

死亡保険金を受け取った場合で、その保険料を亡くなった方ではなく保険金受取人が支払っていた場合には、相続税はかかりませんが、所得税が課税されます。そのため下記のロのケースに該当するような方は、確定申告が必要になる場合がございます。

被保険者保険受取人保険料負担かかる税金
相続税
所得税

4.遺族が未支給年金を受け取った場合

年金の最後の受給日から亡くなった月までに発生した年金を未支給年金といいます。未支給年金に相続税はかかりませんが、受けった人の一時所得となり所得税が課税されます。ただし一時所得は50万円超から発生しますので、未支給年金が50万円以下の場合には確定申告は不要となります。

5.死亡退職金

死亡退職金は、支給がいつ確定したかによって発生する税金が異なります。

■ 被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したもの→相続税
■ 被相続人の死亡後3年を経過した後に支給が確定したもの→所得税

確定申告が必要となるのは、被相続人の死亡後3年を経過した後に支給が確定した死亡退職金を受けとった相続人になります。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか。
相続が発生した場合には、相続人自身の所得税の申告が新たに必要となるケースも多いため、確定申告にむけて一度確認をしてみましょう。