今回は基礎編として、相続税の申告書って一体どんな内容が記載されているのだろう? 相続税の申告書を見たけどなんだかよくわからなかったという方や自分で相続税申告書を作成しようとしている方のために、申告書の記載内容についてご説明します。
1. 相続税の申告書の内容について
相続税の申告書は「第1表」から「第15表」までの書類があります。それぞれの書類に記載する内容を簡単に説明します。
(1)第1表~第3表
第1表~第3表までは相続税の計算結果を記載します。
第1表は亡くなられた方及び相続人など財産を引き継いだ方のお名前・住所や生年月日などの基本情報、亡くなられた方の財産の総額や、相続税の総額、そしてそのうち財産を取得した方各々の内訳(財産を取得した金額、相続税額)が記載されます。
第2表、第1表に記載されている相続税の総額の計算過程を記載します。
(第3表は農業相続人がいる場合の税額計算が記載されております)
(2)第4表~第8表
税額控除の内容が記載されております。
税金の計算では一旦相続税の税額を算出してから、さらにその税額から差し引くことができる税額控除というものがあります。具体的な例として、配偶者の税額軽減や未成控除、贈与税額控除、相次相続控除などです。適用した税額控除の内容が記載されております。
(3)第9表~第15表
相続財産と相続財産の評価額が記載されております
生命保険・退職手当金の金額・贈与の価額と贈与税額・小規模宅地等についての計算明細書・相続税がかかる財産の価額・債務や葬式費用についてなどが記載されております。
2. 相続税の申告書は自分で作成できるのか?
相続人の方が自分で申告書を作成をして、税務署に提出していただくことは可能です。
相続税の申告書は、税務署に直接取りに行くか、国税庁のホームページから入手してすることが可能です。税務署では予約制にはなりますが、無料相談を実施しております。そちらを活用しながら、申告書の作成を進めていくのがよいでしょう。
3. 自分で申告するメリット
税理士報酬がかからないことです。相続税の申告書の作成費用は一般的に数十万円かかります。そのコストがかからないことは大きなメリットとなります。
4. 自分で申告するデメリット
(1)時間と手間がかかります
所得税の確定申告と異なり、相続税の申告書を見たことがある方はほとんどいないと思います。所得税のように国税庁のホームページからウェブ上で簡単に作成をすることができないため、すべての書類にご自身で記入をしていかなければなりません。そのため、大変時間がかかる作業となります。
なお、NTTデータの「相続税の達人」など相続税申告書作成ソフトは数万円で販売されていますし、クラウド型で5万円程度で申告書作成支援サービスを提供している会社もあるので、これを活用するのも一つの手です。
(2)土地の評価が難しい
土地の評価が難しくないケースもあります。また、過大評価になってもいいという方であれば、ご自身で評価額を計算することも可能です。ただ、相続税の評価では、土地の形状や現状、用途、面積等によって、たくさんの減額調整を行うことが可能です。そのため、ご自身で申告をする場合には、この評価減の適用がもれてしまう可能性があります。
(3)相続税を過大に申告してしまう
(2)でもお話しましたが、土地以外にも相続税の計算過程では、財産額を減額する評価方法や税額控除により税額から差し引いてよい特例のようなものが多々あります。これを見逃してしまい相続税を多く納税してしまう場合が考えられます。
ご自身で申告する場合には、税務署で相談をしながら進めるのがよいと思いますが、 税務署は納税者に有利になるようなアドバイスはしないことが一般的です。
所得税の確定申告をご自身で去年までやっていた方の申告書をみると、とても多く納税してしまっている方がおります。ご本人に聞くと、税務署の方にどちらか選んでくださいとだけ言われて、細かい説明はされなかったと。
そうなんです、有利なアドバイスはされない可能性が高いです。
そのため、ご自身で事前に調べたうえで、この特例は適用になりますか?と税務署の方に具体的に聞いてみるのが良いと思います。
(4)税務調査に入る可能性が高くなる!
一般的には、税理士が作成した申告書と納税者ご自身が作成した申告書では、納税者ご自身が作成した申告書のほうが税務調査に入る可能性は高くなると言われています。また、調査で財産漏れが発覚した場合には、後日ペナルティの税金を納税することになります。
5.自己申告にむいている方!
デメリットが多いのは事実ですが、下記に該当する方はご自身での申告書の作成を検討しても良いのかなと思います。
・財産が現預金や生命保険・死亡退職金のみの方
→評価の計算が複雑ではないため、相続税が過大になる可能性が低いため
・土地は1つで、土地とそのほか他の財産をあわせても納税が0円の方
→土地の評価が過大になってしまっていても、納税額には影響がなく、過大納税の心配がないため
・相続人が一人で、財産が多額でない方
→分割協議や争いの心配がないためご自身で相続手続きを進めやすいため。
自分で申告ができないのだろうかと思う方も多くいらっしゃると思いましたので、今回この内容を書かせていただきました。ぜひご参考ください。
ご自身で申告できるかどうか、正しく早めに判断する必要があります。税務署や専門家の無料相談を活用し、早めに進められることをお勧めいたします。

